■ ID | 643 |
■ 種類 | 論文 |
■ タイトル | 地下温度データを用いた過去の地表面温度履歴の推定−バンコク地域への適用− |
■ 著者 | 濱元栄起
Hideki Hamamoto
埼玉県環境科学国際センター 山野誠 Makoto Yamano 東京大学地震研究所 後藤秀作 Shusaku Goto (独)産業技術総合研究所 谷口真人 Makoto Taniguchi 人間文化研究機構 総合地球環境学研究所 |
■ 出版元 | 物理探査学会 |
■ 出版年 | 2009 |
■ 誌名・巻・号・年 | 物理探査、Vol.62、No.6、575-584、2009 |
■ 抄録・要旨 | 地表面における温度変動は、地下へ熱拡散によってゆっくりと伝播する。この性質を利用すると、地下の温度分布から過去数百年間の地表面温度変動の履歴を推定することができる。本研究では、この方法を、バンコク地域の地下水観測井で2004年、2006年、2008年に計測した温度データに適用した。その結果、すべての地点で最近100年間に地表面温度が上昇していることがわかった。上昇幅は測定点ごとに異なり0.4〜2.4Kで、都市近郊や農村地帯に比べて都心において大きい。この違いはヒートアイランド現象や土地利用の変化など都市化の影響を反映している可能性が高い。さらに、地表面温度変動の復元結果を用いて、1900年以降に地中に蓄えられた熱量の推定を行った。バンコク都心部で1990年までに蓄積された熱量は、北半球での平均値の2〜3倍に達している。この地下温度分布から地表面温度変動や熱の蓄積過程を推定する手法は、他の都市にも適用可能であり、地球温暖化や都市化の熱的影響についての議論に有用であると考えられる。 |
■ キーワード | 地下温度、気候変動、バンコク、地球温暖化 |
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